春の土用
2021/04/19
4月17日からは「春の土用」。
土用(どよう)は季節と季節の間で、大切な時です。
自然界で「土」の中では、微生物や菌類、酵素や酵母などの働きで、
解毒・分解・発酵・腐敗が常に行われています。
そして生命は「土」から生まれ、「土」に還ると考えられてきました。
東洋医学では、この「土用」は、
「過ぎ去る季節の死を促し、来る季節の生育を促すとき」
とされてきました。
そして、「土」は身体では「脾の臓」にあたります。
(西洋医学の脾臓とは概念が違います。)
東洋医学的な「脾臓」は「消化吸収機能」のこと。
土のように、腸内細菌を始めとする微生物や菌類、酵素・酵母などの力を借りて、
飲食したものを栄養に変える、工場のような働き、それが「脾の臓」だと考えています。
春はいろんなことに目が行き、行動的になる時期で「肝の臓」が中心に働いていました。
「土用」は一旦休憩の時期。
その休憩でバトンタッチされるのが「脾の臓」なんです。
でバトンタッチの時期は、カゼをひきやすくなるなーと臨床を通じて感じます。
土用の期間は、普段よりも胃腸に負担がかかりやすくなります。
「脾の臓」を助ける味は「甘み」。
春キャベツや菜の花などを湯がいたときの甘み。
玄米など穀物類からの甘み。
漬物や味噌などの自然な甘み。
こういったものを摂って、夏に備えていきましょうって時期(^^)/
ちなみに砂糖などの甘みは、かえって「脾の臓」を傷めてしまいますので要注意です( ゚Д゚)
砂糖は体内に余分な水分を溜め込みやすく、また余分な熱を籠らせやすい特徴があります。
季節柄、春夏は控えましょう!
春の土用に食べたい春の食材をご紹介。
菜の花
キャベツ
酢味噌
柑橘類
筍(たけのこ)
ハト麦
押し麦
摂りやすいものとしたら「ハト麦」ですかね。
「薏苡仁(ヨクイニン)」って漢方薬を聞いたことはありませんか?
ヨクイニンは、ハト麦の種皮を除いた成熟種子のこと。
効能は、
清利湿熱(せいりしつねつ)・・・
身体にこもった余分な水分や熱を排尿で出す。
祛湿除痺(きょしつじょひ)・・・
余分な水分や熱が原因で起こる関節痛・手のこわばりに効果がある。
健脾止瀉(けんぴししゃ)・・・
「脾の臓」を強くし消化吸収機能を高め、下痢を止める。
食後に温かいハト麦茶を飲むといいですね(´▽`)
肌荒れ対策にもなると思います♪
春は、新学期が始まったり、就職だったり大きく環境が変化します。
一旦、立ち止まるのが「土用」でもあります。
春にため込んだ「焦り」や「不安」のエネルギーを逃がしていく時期。
この時期に、カゼをひくのはデトックスとしてはいい時期です。
カゼを治す力を最大限活用するために、土用の食材を食べて、早く布団に入って寝る!
春に起こった大きな変化を、
体内で分解・発酵させる。
そこから生まれる「何か」は、きっといいもの。
楽しみです♪
季節の移り変わる空。
最後までお読みいただきありがとうございました(^-^)