ホタルイカ
2021/03/27
この時期、春の富山湾で見られる風物詩があります。
それは「ホタルイカの身投げ」。
ホタルイカは、普段は水深200m~700mの深海に生息していますが、3月~5月の春の時期になると、富山湾には産卵期のホタルイカが集まります。
晩春の季語としても使われるみたいですね。
そして波が穏やかな新月の夜に、浜辺はホタルイカの光でいっぱいになります(^^)/
闇夜で方向感覚を失うために起こると言われているのが、「ホタルイカの身投げ」なんですね。
東洋医学的に考えると、
イカの甲は「烏賊骨(うぞくこつ)」という漢方薬です。
寒熱は「微温性」で、味は鹹(しおからい)・渋(しぶい)。
帰経(どの臓腑に効くのか)は肝・腎。
効能:
①収斂止血(しゅうれんしけつ)
不正性器出血や月経過多、血便や痔出血など止血に働きます。
②固精止帯(こせいしたい)
腎虚の遺精(睡眠中の射精)・早漏などに効果がある。
③生肌祛湿(せいききょしつ)
湿疹・滲出が多い化膿症・下腿潰瘍などに効果がある。
参考文献:中薬学 東洋学術出版
また、ホタルイカは「瘀血(おけつ)」に効果があるとも言われています。
性質上、ホタルイカは3月に産卵のために深海から海表に浮かんでくることから、
陰から陽に、内から外に気のベクトルが動いています。
(産卵も陰から陽に変わる姿です(^-^))
そして春は「発陳(はっちん)」。
「古きを捨てる」とき。
ホタルイカは、古いもの、蓄積した老廃物(瘀血)を身体の外に出していく働きもあるように思います。
あと、あの動き!
素早く細かく動き回る感じが、絡脈(身体に流れる細やかな道)に入り、お掃除してくれるイメージですかね。
漢方ってこういう考え方があるんですよ。
植物、生き物の性質を身体に取り込んで、その働きを使って身体を治す力を高めるんです。
できるだけ旬の食材を摂りましょうっていうのも、その季節の動きに身体を合わせるのに便利なんですね(^^)/
旬のホタルイカ、ぜひ召し上がってください。
ほどほどにね(´▽`)(笑)