第二回東洋医学健康講座③

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第二回東洋医学健康講座③

2021/02/05

では続き行きます。

 

背候診(はいこうしん)」です。

簡単に背中のツボの状態をみる診察法です。

 

これも舌診・脈診・腹診と同じく、全身の縮図としてみていきます。

 

舌診・脈診➡第二回東洋医学健康講座①

腹診➡第二回東洋医学健康講座②

 

特に「背候診」は臓腑の状態が反映されやすい、という特徴があります。

 

 

いろんな全身の縮図として様々な診察法を紹介しましたが、個性があります。

西洋医学でいう、レントゲン検査やCT検査、MRI検査など、役割分担がある感じです。

その個性を生かしながら、全身を診ていくんですね。

 

 

では具体的に場所を見ていきましょう!

こんな感じです。

 

ツボは基本的に左右対称にあります。

その左右差が大きいところが治療点になり、治療してツボの左右差を小さくしていくことが症状改善に繋がります

 

ツボの反応は、緊張していたり、冷えていたり、発汗していたり様々です。

ツボが古くなると、緊張を通り越してペコペコになったり、ツボの表情(変化)が乏しくなってくるんですね。

 

 

「コリ」は緊張に含まれますが、大きく「拒按(きょあん)」と「喜按(きあん)」に分かれます。

 

拒按は、押さえると「痛い」「くすぐったい」といった「触らないでくれ!」というサイン。

これは、その部分が停滞している、凝り固まって詰まっていますよーという状態です。

 

喜按は、触られると「気持ちいい」と「心地いい」と感じ、「もっとエネルギーをちょうだい!」というサイン。

疲れている時や、コリが深すぎて鈍くなっている状態です。

 

 

なので、触れて「鈍感な場所」が「はっきり鮮明に感じる」ようになると、良好と考えます(^^♪

 

そんなツボを元気に若々しくしていくことで、臓腑の状態も若々しくなり元気になります。

 

 

例えば、肺兪(はいゆ)に反応が出ていると、肺の臓に問題があるとみます。

(肺兪は、背骨の第3・4胸椎棘突起の間から指の幅2本分(1寸5分)にあります。)

カゼをひいていたり、呼吸器疾患、皮膚疾患がある場合、反応が出やすいですね。

 

実際、カゼをひいて悪寒がするときに、この肺兪を触ると冷えていることが多い。

 

で、この肺兪が温まるように治療すると・・・

 

呼吸が深くなり、身体全体が温まり、発汗してきます。

 

結果的に、カゼが治っちゃうんですね(^-^)

 

 

背中を診ることで、臓腑の状態がわかる。

 

改めてすごいことですよね。

 

背中をさすってあげたりするだけでも、楽になるものなんです。

それが「手当て」。

シンプルな気の交流が東洋医学の原点です。

「助けて!」と言っているツボを、「大丈夫だよ」と手を当てるだけでツボを通して内臓から、そして心まで元気になります。

 

 

以上、ざっくりと「背候診」の説明でした。

 

多くの診察法を用いて、様々な角度から身体を診ていた情報をまとめて、鍼1本に絞るのはけっこう頭をフル回転させてます☺(笑)

 

だけど、それでも足りないくらい。

治療は小一時間ですが、わざわざ時間を作って足を運んで頂いた方々に。

何よりも濃厚で、味わい深い鍼1本を堪能してもらえるように。

 

 

 

 

改めてこの講義を担当してくれた石川先生、ありがとうございました。

 

次は私の講義「陰陽について」、ブログをあげたいと思います。

 

続く・・・