秋の土用
2021/10/20
10月20日~11月6日の期間は「秋の土用」。
この期間は秋から冬に移行するための準備期間。
東洋医学では、
春は「肝臓」
夏は「心臓」
秋は「肺臓」
冬は「腎臓」
と、各季節ごとに頑張る臓腑があります。
(※東洋医学の臓腑は「機能」のことで、西洋医学とは臓器とは異なります)
そして、各季節をつなぐ2週間を「土用」といいます。
土用は「脾臓」が頑張る時期。
東洋医学の「脾臓」は消化吸収機能のこと。
自然界では「土」と同じような働きと考えればわかりやすいと思います。
飲食したものを「土」で分解して栄養分に変えていく働き。
東洋医学ではこの栄養分を「水穀(すいこく」)」と呼びます。
この水穀から「気血」といわれる栄養源に作り替えられます。
この気血がバランスよく身体中を循環させることが健康につながるんですね。
脾臓(消化吸収機能「土」)のはたらきに影響が出ると、
下痢・食欲不振・やる気が出ない・気分が憂鬱になりやすくなります。
自然界ではたくさん雨が降ると、土には雨水がしみこんで、ゆっくりと流れていく。
なので少しくらいの雨では、洪水にならない。
下痢って何かというと、洪水のようなもの。
土が不安定になり、水を保持する力が落ちてシャーッと流れ落ちる現象です。
食欲不振は、土が不安定なわけだから、
「今は飲食は控えてねー」っていうサイン。
脾臓が十分に働いているかのサインは、
「白米が美味しいかどうか」。
白米の甘みを感じることができるかどうか。
お腹がすいたらまず白米が食べたいと思えるかどうか。
おかずが美味しいが、白米はいらないときは脾臓の弱りを疑っていいかもしれません。
食欲の秋で、
さらにコロナウイルスへの警戒も薄くなり、
飲食が乱れやすい期間が続きました。
でも、この「土用」で同じような生活を行うと、
消化吸収機能に負担がかかり、
気温低下についていけず「胃腸風邪」をひきやすくなります。
ロタウイルスやアデノウイルス、
手足口病もこの範疇に含まれそうですね。
この「秋の土用」の養生は、
・軽く発汗できる運動習慣を取り入れること。
・しっかり咀嚼(そしゃく)する(特に最初の一口目は50回嚙みましょう)
・冷たいもの・間食を控える
・自然の甘みを摂る(玄米などの全粒穀物、大根やかぶの漬物がオススメ)
・乾燥を防ぐために揚げ物・焼き物より、おひたしや煮物を摂る。(味噌煮や筑前煮など)
・テレビや携帯を見ずに、食べることだけに集中する
といったことをお試しください(^^)/
肌荒れ・浮腫みにも効果抜群です!
秋も終わりに近づきましたが、
「読書の秋」というものがあります。
読書ができる人は「待つ」ことができる人。
焦っているときは読書モードに入りにくいものです。
また、脾臓が弱っていると「知識」の吸収に支障が出ます。
頭がボーっとして覚えられない、物忘れが多くなります。
学生さんだと勉強に支障が出やすいですね。
また情報に振り回されやすいのも、脾臓が弱っている傾向があります。
脾臓は「情報の消化吸収」にも関係し、理性に関わります。
美味しそうに白米食べてる人ってなんか好感持てません?(笑)
普段、読書の習慣がない人におススメなのがこの本!
若松英輔さんの「本を読めなくなった人のための読書論」。
めっちゃ読みやすいし、
また読書をせずにはいられなくなる(笑)
私は本が好きなのですが、
なぜか読んでも頭に入らない時があるんですね。
そんなときに気づきをもらった一冊です。
もちろん、まったく本に興味がない方はそれはそれで意味があるので大丈夫。
本に興味がある方は最初の1ページだけでもぜひ目を通してみてください♪
当院の受付に置いておきます(^^)/
最後までお読みいただきありがとうございました。
おかげさまで今日も味わい深い鍼ができました。