妊娠と東洋医学
2019/12/18
伝統的な脈診
妊娠の脈
晋代の王叔和が書いた脈経(みゃくきょう)という書物があります。
ここに妊娠したかどうかを知る方法が書いています。
その方法は・・・手首の脈を診るんです!
手首の脈は、身体の縮図という考え方があり、寸・関・尺と3つに分けて診ていきます。
その中でも、尺の位置で脈が円滑で大きく、速い脈動を打つことがポイントです。
陰陽で言うと寸は陽で、尺は陰。
陰の脈である尺が大きく打つということは、陰中の陽が盛んになり、妊娠していると考えられています。
その他にも、神門というツボに相当する部位の拍動が大きくなっている場合も、妊娠兆候といえます。
他にもいろいろな見方があるんです(^^)/
治療する際も、尺の位置が大きくなるように、治療していくと妊娠中の体調が良くなります。
悪阻(つわり)や逆子、妊娠中毒症など、多くの症状を緩和できます。
不妊や流産なども、同じく健康な妊婦さんの脈に近づけるように治療していくと効果が高いですね。
実際に妊娠した妻の脈を診ていて、ここに記載のあるような脈を打つんです。
古典に書かれていることを鵜呑みにするのではなく、臨床を通して確かめていく。
古典に臨床を合わせるのではなく、「臨床に古典を合わせる」ことが重要ですね。
そうやって、古人が残してくれた情報を参考にしながら、
現代の気候風土、社会環境、人間の生活リズムに合わせて応用していく。
古典を通して、古人の先輩方と会話していくと、ありがとうって思う。
鍼をした人が良い心身の状態で、また社会に出て、世の中に貢献していく。
毎日を頑張って頑張って、魂を磨いている。
鍼灸という医療を通して、私が今一番意識すること。
それは、本来的自我を輝かせること。
言い方を変えれば、「その人の中にある本当の自分が輝きだすこと」。
輝く月が、雲で覆われているとしたら、その雲を取っ払っていく。
ひとりひとりが、その人にしかない個性がある。
でも、家庭環境や文化が、個性を抑圧して、本来的自我を失っていくことが多いような気がする。
でもその家庭環境や文化が悪いんじゃない。
その中でどう輝くか。そこがすっごく大事。
鍼をしながら私も輝かせていただいております。
今日もいい鍼できました。